骨粗しょう症
■骨粗しょう症
<骨がもろくなり、骨折しやすくなる症状です>
骨粗しょう症は、骨の量と質が低下し、骨がスカスカになり、骨折の危険性が高まってしまう病気です。 骨の強度は、7割が骨の量で決定し、3割が骨の量以外のいろんな要素で決まります。これをまとめて骨の質と呼びます。若い一般男性(女性)で7割以下に骨密度が低下している方は、軽く転倒してだけで背骨や太ももの付け根の骨が折れてしまうため、このような症状の方は骨粗しょう症の疑いがあります。 また症状が進行してしまうと、知らぬ間に背骨が大きく曲がってしまう状態や、バランスを崩し、尻もちをついただけで寝たきりの状態になってしまうほど骨がもろくなり、骨折のリスクを高めてしまうのです。 骨粗しょう症は、早めに症状を見つけ、治療を行うことが大切です。
<なぜ閉経後の女性に多いのか>
特に閉経後の女性は、女性ホルモンの分泌が低下してしまうことから、骨の量が急激に減ってしまう状態に陥り、 男性の2倍から3倍も骨粗しょう症になりやすくなります。現代、高齢化社会に進む日本では、骨粗しょう症による骨折で要介護を必要に迫われる方が増加しており、社会問題となっております。一般的に40歳以上から発症するといわれている骨粗しょう症ですが、年間で約97万人の方が新たに発症し、男性が約16万人に対し、女性は約81万人と圧倒的に女性の方が多いと推定されております。
■骨粗しょう症の症状
<初期の骨粗しょう症には、自覚症状がない場合が多いです>
骨粗しょう症は、骨の密度が低くなるだけで、自覚症状が出にくい病気です。骨密度測定を受けなければ、なかなか症状が進んでいることに気付くのが困難です。 骨粗しょう症で一番怖いのが骨折であり、特に最も多い骨折箇所は、背骨になります。背骨の骨折は、椎体と呼ばれる短く円柱状の背骨がつぶれることで起こり、自覚症状がないまま、連鎖的につぶれるように骨折します。背骨の骨折を確かめる方法としては、あなたの若い頃と比べ、身長が4㎝以上縮んでしまっていたら、既に椎体が骨折している可能性があります。進行が進むと、気づいた時には背中や腰が曲がっており、痛みが出てくるため病院に通わざるを得ないほどひどい症状になっている可能性もあります。 若い頃と比べ、ご自身の身長が2㎝ほど縮んでしまっていたら、一度検査を受けていただくことをお勧めします。
<太ももの付け根の骨折だけは、最も避けなければいけません>
骨粗しょう症になりますと、軽く転んだだけでも骨折になる場合があります。なかでも、太ももの付け根の骨折は寝たきりの原因になることもあります。寝たきりになりますと、あなただけでなく家族の生活までもが一変してしまいます。また、太ももの付け根の骨折だけでなく、手や肩の骨を骨折してしまっても、生活のリズムを大きく狂わすことになります。骨粗しょう症の場合、一度骨折してしまうと、再度骨折してしまう可能性が高まります。まずは検査を受けられ、骨粗しょう症と診断された段階で、なるべく早い治療を行うことが、次の骨折のリスクを下げることに繋がります。
■骨粗しょう症の原因
<原因は、骨の新陳代謝のバランスが崩れたことにあります>
強く硬い骨は、成長期までに完全に出来上がってしまうと思われている方もいますが、実際はお肌と同じようにターンオーバーを繰り返しています。骨の場合、古い骨を体内で溶かしては新しい骨を形成しています。この新陳代謝をバランスよく行っている健康な骨は、丈夫で簡単に折れることはありません。女性が閉経後に骨がもろくなってしまうのは、女性ホルモンが骨の健康状態を保つために大きく関わっているためです。女性ホルモンのバランスが崩れてしまうと、新陳代謝のバランスも崩れてしまい、古い骨が削れていく一方、新しい骨の形成がドンドン追いつかず、だんだんと骨が弱くなってしまいます。
■骨粗しょう症の検査
当院では前腕での骨密度の測定を実施しております。骨密度の測定は、X線を使い骨の量を測定し、若い人の平均値を100%とした際に、ご自身の骨の量が何%になるかを測定します。 骨密度のボーダーラインは、若い人の80%が要注意、70%以下の場合は骨粗しょう症と診断されます(骨折の経験がなく、骨密度を減らしてしまうような疾患をお持ちでない方の場合) 。
当院は、予約なくいつでも検査を実施しており、すぐ検査もご説明しております。また問診にて、今後10年以内の主要骨粗しょう症性骨折(脊椎、前腕、股関節部、肩部の骨折)、および、大腿骨骨折(太ももの付け根の骨折)の発生リスク(%)を、無料にて測定しております。 お気軽にご相談ください。
■骨粗しょう症の治療
治療には食事や運動療法による生活習慣の改善する方法がありますが、それでも進行を止められない場合には、お薬による治療があります。 骨粗しょう症のお薬には3種類あり、骨を削る働き(骨吸収)を抑制するお薬、骨の形成をサポートするお薬、骨吸収と骨形成をバランスよく調整するお薬があります。骨折を未然に防ぐためには、このお薬を継続的することが重要です。
当院では内服薬の他に、注射による治療も実施しております。自分のライフスタイルに合った治療を続けていくため、まずはお気軽にご相談ください。