足白癬(水虫の一種)
■足白癬
<足白癬とは>
水虫の一種で、カビの種類である皮膚糸状菌が皮膚に感染して生じる病気です。
皮膚科外来では、患者数の10〜15%程度を占めるほど比較的多い病気で、足に起きる白癬菌感染症(水虫)は、全白癬患者の65%と圧倒的な割合を占めます。
さらに、足白癬にかかっていても、皮膚科の受診をしていない患者さんも多く、日本人の20%ほどは感染しているとのデータもあります。
<足白癬の原因>
足白癬は感染の機会が多い事が問題に挙げられます。
家族に感染者がいる場合、老人ホームなどでの集団生活を行っている場合、温泉や銭湯・プールの利用が多い場合などに、うつる危険度が高いと言えます。
その他にも多くの理由で足白癬になりやすいケースがあります。
足の指間が狭く湿りやすい、体質的に多汗であるなどの皮膚の問題や、長期間の革靴・長靴・安全靴の着用で蒸れた状態が続くといったことも関係してきます。
<足白癬の症状>
足の水虫は次の3種類に分けられます。
趾間型・小水疱型・角質増殖型などですが、複数の病型の場合も多く見られます。
最も多く見られる趾間型は、じゅくじゅくして皮が破ける湿潤型と皮膚が乾燥して皮がむける乾燥型とがあります。足裏全体に広がってしまう小水疱型は、細かな水泡のような水泡ができ、かゆみを伴います。
春から夏にかけて発症する傾向にありますが、必ずしもそうとは限りません。
角質増殖型は、足裏の角質が厚くなり、特にかかとが白っぽくひび割れる事が多く、かゆみなど水虫の自覚症状はほどんどありません。
その為に発覚しにくく、ほとんどの人が放置してしまっている病型です。
<足白癬の検査と診断>
実際に現れている症状の確認だけでは診断はできません。
非常に似通った皮膚病が多数あるので、顕微鏡を用いた検査で特徴的な菌要素を検出することが診断の決め手になります。
最も一般的な検査は直接鏡検KOH法で、剥がれ落ちた皮膚の角質細胞や爪や毛などを採取し、水酸化カリウム溶液に溶かして顕微鏡で観察します。
目標とする白癬菌は少し褐色調で、枝分かれし、特定の方向に傾いていく糸状の構造、その構造がばらばらになった分節胞子、およびそれが連なった胞子連鎖としてみられます。
<足白癬の治療>
角質増殖型以外の2つの病型では、外用療法が基本として用いられます。
期間は最低でも1ヶ月以上を要し、症状が消えたとしても、追加治療で2か月程度つづけた方が望ましいとされています。
内服薬や外用薬は大きく進歩しており、ほどんどの患者さんが完治出来るようになりました。足白癬の治療に関しての姿勢は患者さんによって大きく異なりますが、出来るだけ完治を目指し、治療をした方が良いでしょう。
しかし、中にはどうしても完治が難しい場合があります。その場合でも悪化させない、他の部位への拡大を避ける、他の人への感染の予防の為の治療を続ける事が重要です。
<足白癬の注意点>
足白癬の予防で主なものは、「菌をまき散らさないようにする」「環境の除菌」「足に菌が付かないように予防する」などです。言い換えると、他の誰かに移してしまわないよう、全ての患者さんが適切な治療を行う事、予防の為の掃除をこまめに行う事、うつっていないのなら、足を常に清潔にする事、等が重要です。
また、ご自身で市販薬での治療を行ってしまうと、治療期間での検査で陰性化してしまう場合があります。その場合は、正しい診断を行う事が出来ない為に、市販薬での診断の前に皮膚科専門医での受診をお願いします。
便利な水虫に関するサイトをご紹介します。
http://www.mizumushi.com/html/index.html