■百日咳
<百日咳とは>
百日咳菌への感染で起こります。
1981年に導入された精製ワクチンにより、我が国での患者数は着実に減少してきました。
しかしながら近年、小児期に接種したワクチンの効果が薄れてしまい、大人になってから感染してしまうケースが見られ、2005年以降は毎年増加しているとの報告もあります。

欧米でも、長引く咳の原因のうち、6〜20%が百日咳への感染が原因であったとの報告もあり、日本で行った調査でも咳が3週間以上続く成人患者の14%が百日咳菌に関与していると報告されました。
風邪でなかなか咳が止まらないと思った場合は、早目に医療機関を受診し、適切な診断や治療を受ける事が必要です。しかし、咳が長引いたとしても、大人の場合は小児のケースとは異なり、特徴的な症状が乏しく、診断が困難とされます。
成人の百日咳が持つ最も大きなリスクは、患者が過自身の過程で小児に感染させてしまう事です。特にワクチン接種前の乳幼児への罹患が容易に想定でき、肺炎への合併症の可能性が大きく、重症化も懸念されます。

 

<百日咳の症状>
まず、鼻水・咳のような風邪症状が起こります。
風邪用の薬を服用していても、1〜2週間で咳がひどくなります。
熱は出ないのですが、顔が真っ赤になるまで咳き込みが続いたり、咳き込んで吐いたり、その後の急な息の吸い込みで笛を吹くようなヒューヒューという音がします。
成人の場合は、咳のみが長引いてしまう場合が多く見られます。

 

<百日咳の検査と診断>
診断は、2週間以上咳が続いている場合で、発作性の咳き込み、吸気性笛声、咳き込み後の嘔吐、の1つ以上が見られる場合に本症が疑われます。
周囲に咳をしている人がいれば確率は高まりますが、ウイルス、マイコプラズマ、クラミフィアなどの感染症や気管支喘息などとの判別が困難です。
検査方法には、細菌培養検査と血清抗体検査がありますが、一般的なクリニックでは、血清抗体検査が行われます。

 

<百日咳の治療>
抗菌薬などの化学療法剤が有効とされ、マクロライド系の抗生剤が望ましいといわれています。特有の咳が出てから治療を始めても、すぐに症状が収まるわけではありませんが、筋の拡散を防ぐ事が出来ます。

麦島内科クリニック