■ 慢性閉塞性肺疾患(タバコ病)
当院では、内科医の他、呼吸器専門医が対応させて頂いております。(予約制)

 

<慢性閉塞性肺疾患(タバコ病)とは>
気管支(空気の通り道)や、肺(酸素の交換を行う場所)に有害な空気が入り込む事で障害が起きる疾病です。空気の出し入れに支障が起きてしまう為、通常の呼吸がうまくいかず、息切れを起こしてしまいます。
2006年の死亡原因の10位にタバコ病(COPD)が入っています(厚生労働省発表)。
特筆すべきは男性のみの順位だとは8位となり、女性よりも多くの男性がこの疾病が原因で亡くなっています。患者さんの数も、実際には500万人以上にものぼると推定されます。

 

<慢性閉塞性肺疾患(タバコ病、COPD)の原因>
“肺の生活習慣病”とも呼ばれる慢性閉塞性肺疾患は、喫煙者や喫煙歴のある方が多くかかる病気です。約4,000種もの化学物質がタバコの煙に含まれていると言われ、その中には発がん性物質も含まれています。
特に、ニコチン・タール・一酸化炭素の悪影響は深いものです。この有害物質が気管支や肺を傷つけてしまう事で、肺胞に損傷が起きたり気管支に炎症がおこったりします。
また、喫煙の習慣が無い人でもタバコ病を発症してしまう事があり、その大半は受動喫煙が原因とされます。喫煙以外に挙げられる主な原因は、大気汚染や職業的な細かな埃やゴミ、化学物質などがあります。

 

<慢性閉塞性肺疾患(タバコ病、COPD)の症状>
“息切れ”が代表的な症状で、しつこい咳と痰、風邪を引いたときや運動時のぜいぜいする状態も症状の一つです。
病気が進行すると、口すぼめ呼吸(急激な運動後などに口笛を吹くように口をすぼめて呼吸する)やビヤ樽状の胸郭(胸部の前後の幅が拡大し状態が樽のようになる)が見られることもあります。

 

<慢性閉塞性肺疾患(タバコ病、COPD)の診断>
スパイロメーターを用いた肺機能検査が、診断には欠かせません。空気を思い切り吸い込んだ後、吐き出した空気の量と最初の1秒間に吐き出された空気の量を調べます。この数値の比が慢性閉塞性肺疾患の診断の基になります。
息切れや咳・淡などの自覚症状がではじめた場合は、早期に肺機能検査を行う事をお勧めします(当院での受診が可能で、肺年齢の測定も行っています)。

<慢性閉塞性肺疾患(タバコ病、COPD)の治療>
慢性閉塞性肺疾患は治療ができる疾病です。
慢性閉塞性肺疾患を治療する事で、病気の進行を遅らせる事はもちろん、自覚症状の軽減や運動機能を高める事まで出来るようになります。完治は極めて困難な現状ではありますが、治療する事で同年代の健康な人と変わらない生活を送る事ができます。

 

・禁煙
治療の一歩は禁煙です。長期間の禁煙は喫煙者の7人に1人を慢性閉塞性肺疾患にしてしまいます。固い決意をもってタバコをやめ、最適な治療を受ける事で、症状の進行をゆるやかにし、症状を緩和する事ができます。

 

・薬物療法
慢性閉塞性肺疾患では、気管支を広げるお薬(気管支拡張薬)の吸入が治療の基になります。この治療で気管支を広げ空気の通りを良くすることで、息切れなどの症状の改善が期待できます。
息切れの症状が強く出てしまっている場合は、運動前の地使用がより効果的です。常に息切れの症状がある場合は、長時間効果が継続するタイプの吸入薬を勧められます。

 

・栄養管理
意外に皆さんお気付きにならないのが、ご自身の栄養状態の事です。慢性閉塞性肺疾患の患者さまの場合、体重の減少傾向が多く見られます。
体重が減ってしまうと、風邪などひきやすくなってしまうので、栄養のあるものを摂取するよう心がけていただく事が大切です。

 

・酸素療法
慢性閉塞性肺疾患に有効とされる治療を行っても、症状が改善されず、低酸素血症が継続してしまう場合は酸素両方を始めなければいけません。
長期の酸素療法で、症状の改善はもちろん、精神神経機能の改善までも得る事が出来ます。酸素療法によって、外出や旅行が簡単に行えるようになります。

 

・外科手術内科的両方を最大限に行ったにもかかわらず、充分な改善が得られない場合、かつ慢性閉塞性肺疾患の中で肺気腫が優位な場合に、外科療法を選択する事がありますが、
専門医との十分な相談が必要です。

 

<慢性閉塞性肺疾患(タバコ病、COPD)の注意点>
慢性閉塞性肺疾患は慢性的な他の疾患の症状に類似する箇所がある為、発見が遅れてしまうケースが多々あります。
代表できな症状である、息切れ・咳・淡などの症状があれば、まず慢性閉塞性肺疾患を疑って早期の受診をしましょう。

麦島内科クリニック