リハビリテーション科ブログ~疼痛特集②~
昨日からなぜか右の顎関節が痛いPT水野です。昔ながらのマッサージ系の治療からリハビリテーションへの転換をしていくと大抵聞こえてくる院外の悪い噂は「あそこのマッサージは痛くするようになった。今までは気持ちが良かったのに、逆に痛くなったらどうするのよ」などでしょう。リラクセーションは誰しも好きですからわかります。では、なぜ治療で「痛い」という感覚となるのでしょうか。医療機関により異なるでしょうが、私の考える可能性のごく一部をお話しさせて頂きます。
【疼痛特集②~リハビリと痛みの関係~】
気持ちいいは本当に良いのか。
➡私含め皆さん痛いのは嫌ですね。気持ちいい方が当然好きです。例えば押されて痛いというのは、疼痛特集①の侵害受容性疼痛にあたります。もともと痛い。特に長く痛みの続く方は、筋肉や周囲の組織が硬くなり(変性し)、痛みという情報がより強く送られている可能性があります。また、「痛いかもしれない」と身構えてしまっている場合やコミュニケーションが少なく信用がない状態などには心因性疼痛によるさらなる痛みがプラスされます。
➡最近言われるマッサージ系のデメリットの例をいくつか挙げてみます。
【①時間をかけて結構壊れる】
横方向に滑って伸びる筋組織が押しつぶされて破壊される。筋肉はアルファベットのHとIを横にして引き延ばして組み合わせたような筋フィラメントという難しい構造が束になっています。
これを何度も上から押すと。。。( ゚Д゚)!!
この後に硬くなることを組織の瘢痕化といいますが、特にやたら強く求めていた方に非常に多いです。伸びないし、循環も悪くなり良い事ありません。
【②能力は向上しない】
ベッドや椅子でやってもらうだけで筋肉も血管も発達しません。1日横になっていることが多い方は私が学生の頃は一日につき3%筋力低下するとされていました。筋力が変わらなくても瘢痕化が生じればあまり動きませんから出せる力が落ちます。これは依存的なリハビリテーションといわれることが多く、私と同じ資格で特に嫌われているものです。せっかく良くしたいのなら非常にもったいない。
【③コントロールが下手になる】
仮にその時に柔らかくなったとして、マッサージ屋さんなどで終わってすぐに動かしにくい・バランスが崩れてフラフラするといったことがあると思います。脳から「ここをこれぐらいで使えばこの動きが出来るぞ!」といつも通り電気信号が送られますが、送った先の筋肉はさっきと違います。ふにゃふにゃになってたり、カチカチになっちゃったりしてますから、同じようには動かせません。Etc…
思い通りに動かすには、自ら動かすという要素を治療にプラスします。
➡痛みは外の刺激だけでないことを知っておきましょう。なぜ良い治療家達が温めたり、伸ばしたり、運動したりを実直にやっているのか。疼痛の原因は非常に細かく多彩です。例えば痛みを感じる物質を血中に流します。どっかとどっかがくっついちゃってれば剥がします。力が入っちゃってれば治療的コミュニケーションや、クッションで工夫したりします。循環が原因なら筋トレで毛細血管を発達させます。原因となる組織を理解しているからこそ、それぞれにいくつものアプローチ方法があるのです。医師の処方する薬剤もそうですね。
痛みはこのくらいの理解があれば、同じことを同じ分だけした場合、感覚的にも違いがあることが想像できますね。ただし、組織の再生速度は決まっています。筋トレを頑張っても増え始めるまでに2週間はかかります。個別でしっかり診るために当院は、リハビリ専門職チームでお待ちしております。
今後もごく簡単にこのような紹介を行っていきます。ご希望等がございましたら、当院Facebookやご来院頂いた際に設置しておりますアンケートにてお願い致します。