COVID-19後遺症について
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった後、後遺症に悩んでいる方は少なくありません。ほとんどの方は時間経過とともに症状が改善しますが、いまだ不明な点も多く、長引く症状(罹患後症状,いわゆる後遺症)で悩まされている方も見られます。 症状が改善せず続く場合には、かかりつけ医や地域の医療機関に相談しましょう。
◇COVID-19罹患後の症状の定義
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の後遺症(Long COVID)とは、COVID-19の感染後に、少なくとも2か月以上持続し、ほかの疾患による症状として説明がつかないことを言います。
COVID-19の急性期から回復した後に新たに出現する症状と、急性期から持続する症状があります。また、症状の程度は変動し、症状消失後に再度出現することもあります。
◇代表的な罹患後症状
・疲労感・倦怠感 ・関節痛 ・筋肉痛 ・咳 ・喀痰
・息切れ ・胸痛 ・脱毛 ・記憶障害 ・集中力低下
・頭痛 ・抑うつ ・嗅覚障害 ・味覚障害 ・動悸
・下痢 ・腹痛 ・睡眠障害 ・筋力低下
◇罹患後症状の頻度・持続期間
診断12か月後でも罹患者全体の30%程度に1つ以上の罹患後症状が認められています。いずれの症状でも経時的に有症状者の頻度が低下する傾向を認めました。また、診断後12か月時点では、若年者に感覚過敏、脱毛、頭痛、集中力低下、味覚障害、嗅覚障害が多く、中年者と高齢者では、咳、痰、関節痛、眼科症状が多く認められています。
◇早くから症状にあった漢方で治療を
COVID-19後遺症の関連症状に用いられる漢方薬
関連症状 | 左記の症状に対して当院がよく用いる漢方 |
倦怠感・食欲不振 | 補中益気湯、人参養栄湯、六君子湯 |
不眠 | 加味帰脾湯、抑肝散加陳皮半夏、柴胡桂枝乾姜湯 |
気分の落ち込み(不安・抑うつ)・喉のつまり |
加味帰脾湯、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯 |
頭痛 | 呉茱萸湯、釣藤散 |
咳・痰 | 麦門冬湯、竹筎温胆湯、柴朴湯 |
身体の痛み 関節痛・筋肉痛 | 桂枝加朮附湯、疎経活血湯 |
※参照:(株)ツムラ冊子 「COVID-19後遺症の関連症状に用いられる漢方薬」より
症状が改善せず続く場合、気になる症状がある場合は一度ご相談ください。
当院では、月曜日一日、総合内科、腎臓内科が予約制で漢方外来を実施しております
又、水曜日を除く毎日、内科、脳神経内科でも診療しております