片頭痛治療注射薬「アジョビ」について
当院では、注射による片頭痛治療(CGRP関連抗体薬)を実施しております。 片頭痛発作で仕事や学校を休まなくてはならない方、是非ご相談ください。 今月は、2021年8月に発売され、現在注目されている片頭痛治療注射薬「アジョビ」(当院で治療を受けられます)についてご説明いたします。 これまで片頭痛治療薬のみでコントロールが難しかった片頭痛発作を抑えるために作られた、新しい治療薬です。「アジョビ」は反復性片頭痛、慢性片頭痛両方に効果があると言われています。 片頭痛は、脳内に「CGRP」という神経伝達物質が増え、脳の血管に作用して起こると言われています。 近年開発された「アジョビ」は、この「CGRP」の働きをおさえ、片頭痛発作が起こるのを抑えると考えられております。 画像引用;アジョビ®.jp アジョビ®を使用される患者さんへ https://ajovy.jp 【使用方法】 「アジョビ」は初回から、一気に血中濃度をあげて即効性と持続性が期待できます。 投与方法は、以下の3つの投与スケジュールを選ぶことができます。 ・4週間に1回通院して1本ずつ注射 ・12週間に1回通院して3本注射 ・1~3本を持ち帰ってご自身で4週間に1回自己注射 皆様のライフスタイルに合わせた治療を選択することが可能なので一度ご相談ください。 【4週間に1回、1本注射】 【12週間に1回、3本注射】 4週に1回の投与の場合、オートインジェクターによる自己注射も選べます。 画像引用;アジョビ®.jp アジョビ®を使用される患者さんへ https://ajovy.jp 【期待できる効果】 ・片頭痛予防薬を服用の有無にかかわらず、片頭痛の日数が減少します。 ・片頭痛日数が初回投与1週目から減少します。 ・急性期治療薬(痛みが起きた時に飲むお薬)を使う日数が減ります。 【主な副作用】 「アジョビ」でよくみられる副作用は、注射部位反応です。 注射したところに痛み、発赤、かゆみや腫れなどが生じる反応ですが、ほとんどの場合注射した日に出現し、数日以内に消失します。極めて稀な副作用として、重篤な過敏症がおこることがあります。息苦しさ、動悸、寒気や発熱、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には救急要請していただくか、次の受診日を待たずにご連絡ください。 【価格(薬剤負担額)】 「アジョビ」は保険適応のお薬です。保険3割負担の場合、4週間に1回投与で約11,700円、12週間に1回投与で約35000円/月になります。 ※別途、通常の診療費、処置料などが加算されます ご加入の健康保険組合や共済組合によっては、「付加給付制度」を設けている場合があります。これは、1か月の自己負担金額の上限を超えた医療費がご加入の組合から支給される制度です。 これらの制度につきましては、加入されている健康保険組合や共済組合にお問い合わせください。 【中止の目安】 3か月毎に効果を見直し、効果がなければ中止します。中止しても、再開すればすぐに効果を取り戻せることが期待できるお薬です。 治療希望の方は、まず、当院水曜日以外の脳神経内科を受診していただきます。問診をさせていただき、必要に応じて検査を実施し、今までの治療法の見直しもさせていただき、ご納得いただいた方に治療を開始いたします。これまで数十例の実績がありますが、効果が全くない方はごくわずかです。頭痛でお悩みの方はお気軽にご相談ください。