その手指の不調、更年期かもしれません

「メノポハンド」をご存知ですか?年齢とともに感じる手指の痛みやこわばり — それは「年のせい」ではなく、女性ホルモンの変動による更年期症状かもしれません。
女性は40代後半くらいのいわゆる更年期から、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(女性の心身を守るホルモン)の分泌が急激に低下します。
最近の研究で、手指の不調の症状が、このエストロゲンの変動と関係があることがわかってきました。
更年期に現れる手指の症状を総称して「メノポハンド(メノポーザルハンド※)」と呼ばれています。
※メノポハンドは、メノポーザルハンドの略で、メノポーザルは、「閉経の」「更年期の」といった意味があります。この言葉は、2022年に日本手外科学会が提唱しています。
【更年期とは?】
女性のライフステージは大きく5段階に分けられ、閉経前後の各5年、計10年間を「更年期」と呼びます。
更年期には女性ホルモン「エストロゲン」が急激に低下・乱高下し、骨・血管・脳機能など全身にさまざまな不調が現れます。これを「更年期症状」といいます。
症状は200〜300種類に及ぶともいわれ、個人差があります。

【メノポハンドが起こるメカニズム】
エストロゲンには、関節や腱の周りにある「滑膜」を保護する作用があります。更年期でエストロゲンが低下すると滑膜の保護作用も低下し、炎症・変形・神経圧迫が起こりやすくなります。手指の使いすぎが重なると、さらにリスクが高まります。
【メノポハンドの主な症状と疾患】

症状が悪化すると、指が太くなったり関節が変形したりと、見た目にも変化が現れることがあります。
【診断・検査について】

まず問診で症状の経緯を確認し、血液検査やレントゲンで関節変形や他疾患の有無を調べます。必要に応じてエコー検査も実施します。
関節リウマチ・糖尿病・皮膚疾患など、症状が似た疾患との鑑別診断も重要です。
【治療の選択肢】

症状が軽いうちは安静・薬物療法が中心です。放置すると悪化する可能性があるため、早めの受診が大切です。
【セルフケアでできること】

【注目成分「エクオール」とは?】
大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝された成分が「エクオール」。エストロゲン受容体(特にβ受容体)と結びつき、エストロゲンに似た働きをします。
- 軽度なメノポハンドの約6割が痛み・動作の改善を実感したとの報告があります
- ホットフラッシュ・骨密度・肌・血管機能など幅広い更年期症状にも有効です
- エクオールを体内で作れる日本人は約50%しかいません
体内で作れない方はサプリメントで補給することをおすすめいたします
当院でも、更年期の諸症状でお困りの方へ、大豆を乳酸菌で発酵させたエクオール食品、大塚製薬の「エクエル」を販売しております。
詳しくお聞きになりたい方は、診察時に医師にご相談ください。

【ヘルスリテラシーを高めよう】
更年期症状を「更年期症状」と自覚している女性は約半数しかいないという調査報告があります。対処を「何もしていない」方も多いのが現状です。
- 知る: 女性ホルモンの仕組みを正しく理解する
- 気付く: 自分の体の変化にいち早く気づく
- 対処する: セルフケア + 早めの専門医受診
【こんな症状があったら早めに受診を】

自己判断で放置せず、早めにご相談ください。
手指の疾患は女性だけでなく男性にも起こります。ご家族の不調にも気を配り、正しい知識とセルフケアで健やかな毎日を過ごしましょう。