【50歳以上】帯状疱疹をワクチン(シングリックス)で予防しましょう【予約制】
当院では予約制で帯状疱疹ワクチンの任意予防接種を行っております。
50歳以上で、ご希望の方はお電話・窓口・診察にてお気軽にご相談ください。
★帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス[VZV](いわゆる“水ぼうそう”)の再活性化により発症します。
VZVは、水ぼうそうにかかったことのある人の身体のなかに長期間潜伏しており(その間ほぼ無症状)、加齢やストレスで免疫機能が低下すると、再活性化し、帯状疱疹を発症します。
50歳以上の日本人におけるVZVの抗体保有率は、ほぼ100%であるため、
50歳以上のほぼ全ての日本人に帯状疱疹発症のリスクがあるといえます。
★帯状疱疹が発症すると?
帯状疱疹を発症すると、多くの場合、水ぶくれを伴う赤い発疹が左右どちらか、帯状に皮膚に現れます。
体だけでなく、顔や頭にも出ることがあり、強い痛みを伴う場合には、「仕事・家事ができない」等日常生活に支障をきたします。
治療にもよりますが、症状は通常3~4週ほど続くといわれています。
また、帯状疱疹はさまざまな合併症につながることがあります。
■帯状疱疹の合併症
帯状疱疹後 神経痛(PHN) | 皮膚の発疹改善後も持続する疼痛 | ラムゼー・ ハント症候群 | 耳痛、外耳道水痘、舌前方のしびれ、顔面神経麻痺 |
皮膚細菌性 二次感染 | 溶連菌感染症、ブドウ球菌性蜂窩織炎など | 聴覚障害 | 難聴 |
眼合併症 | 角膜炎、上強膜炎、虹彩炎、結膜炎、ブドウ膜炎、急性網膜壊死、視神経炎、緑内障 | 血管炎(脳炎) | 脳血管炎、昏迷、痙攣、一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞 |
無菌性髄膜炎 | 頭痛、髄膜刺激症状 | 運動神経炎 | 筋力低下、横隔神経麻痺、神経因性膀胱 |
ベル麻痺 | 片側性顔面神経麻痺 | 横断性脊髄炎 | 麻痺、知覚麻痺、括約筋障害 |
なかでも帯状疱疹後神経痛(PHN)に長く悩まされる方が多く、50歳以上の帯状疱疹患者の中で、5人に1人がPHNを発症したという研究結果もあります。
(小豆島スタディ-小豆島在住の50歳以上の男女12,522例を対象)
★帯状疱疹にかかりやすいのは?
帯状疱疹の発症率は、50歳代から上昇し、その後ピークを迎えます。
80歳までに3人に1人が発症するという研究結果もあります。(宮崎スタディ)
また、特定の基礎疾患がある方において、帯状疱疹の発症リスクが高くなる国内の報告もあります。
以下、帯状疱疹の発症に関連があるとされる17疾患中の14疾患における
帯状疱疹発症ハザード比(=相対的な危険度:1に近いと帯状疱疹を発症しづらい)です。
悪 性 腫 瘍 | 悪性リンパ腫 | 8.39 | 全身性エリテマトーデス | 4.11 |
食道がん | 4.05 | 糖尿病 | 2.38 | |
脳腫瘍 | 3.69 | 椎間板ヘルニア | 2.27 | |
婦人科がん | 3.34 | 腎不全 | 2.21 | |
乳がん | 2.34 | 関節リウマチ | 2.03 | |
肺がん | 2.17 | 高血圧 | 1.93 | |
胃がん | 1.92 | Hata A. et al.: Infection. 39(6), 537-544, 2011 より抜粋 | ||
大腸がん | 1.82 |
★帯状疱疹ワクチン【シングリックス】とは?
●帯状疱疹を予防するために独自に開発された世界初のサブユニットワクチンです。(生ワクチンとは異なります)
●50歳以上のいずれの年齢層においても、帯状疱疹予防効果を示しました。[国際共同第Ⅲ相臨床試験]
●延長試験において、帯状疱疹予防効果が(平均値で)9.6年まで観察されました。
以下、もうひとつの帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチン)も含めた表です。
帯状疱疹予防ワクチン | ||
ワクチン名 | シングリックス | 水痘ワクチン |
ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
接種回数 | 2回(2か月後に2回目接種) | 1回 |
接種方法 | 筋肉内注射 | 皮下注射 |
帯状疱疹 予防発症効果 | 50~59歳:96.6%
| 50~59歳:69.8% |
帯状疱疹後神経痛 予防効果 | 50歳以上:100%軽減 | 60歳以上:66.5%軽減 |
持続期間 | 約10年以上 (11年目以降は延長試験中) | 約5~7年程度 |
副反応 | ・接種部位の痛み(79.1%) ・発赤(37.4%) ・筋肉痛(36.9%) ・疲労(34.6%) ・頭痛(28.3%) ・腫れ(24.2%) ・発熱(16.7%) ・胃腸症状(12.0%) ・3日~1週間で消失 | ・発赤(44.0%) ・かゆみ(27.4%) ・腫れ(17.0%) ・接種部位の痛み(14.7%) ・しこり(13.5%) ・3日~1週間で消失 |
料金 | 当院定価:税込 22,000円/回 練馬区助成後:税込 11,000/回 ※2ヵ月あけ6ヵ月以内に2回目 | 当院定価:税込 8,800円 練馬区助成後:税込 4,800円 |
長所 | ・免疫が低下している方も接種できる ・予防効果が高い ・持続期間が長い | ・1回で済む ・値段が安い |
短所 | ・痛い ・2回接種が必要 ・値段が高い | ・免疫が低下している方は 接種できない ・持続期間が短い |
参考:厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会小委員会資料、乾燥弱毒性水痘ワクチン「ビケン」添付文書、乾燥組換え帯状疱疹ワクチン 「シングリックス筋注用」添付文書、Zostavax SPS・STPS・LTPS 試験(50 歳代は ZEST 試験)、Shingrix ZOSTER-006・022・049 試験 |
★自治体の助成は?
練馬区においては令和6年度に接種費用の半額助成を行っており、
本年度50歳になる対象者には予診票を送付していましたが、
令和7年度に関しては未定としております。
令和7年3月下旬を目途に、4月1日以降の助成事業を継続するか否かをHPや区報でお知らせくださるそうです。
当院でも助成の有無が分かり次第、ご覧のHPなどでお知らせいたしますが、
練馬区民の方で接種をご検討の方は、下記HPや郵送されるお知らせをよくご確認ください。
★自治体から予診票が届かなくても助成接種できる?
自治体が発行する予診票をご自身で取り寄せていただければ、
対象となる方は助成価格での接種が可能です。
下記全てに該当する方が助成接種の対象となっています。
①練馬区在住 ②満51歳以上 ③帯状疱疹ワクチンの助成を受けたことがない
令和6年度のものとなりますが、ご希望の方は、
下記blogをご参考のうえ予診票の発行を申請してみてください。
▷【令和6年度】練馬区 帯状疱疹ワクチンの予診票発行希望の方へ
ご不明点などあればお気軽に当院スタッフや医師にお尋ねください。
(2025年1月23日 追記)