更年期を上手に乗り越えるために
更年期の基礎知識 女性のライフサイクルのうち、閉経の前後5年の10年間を「更年期」と言います。閉経は女性なら誰にでも必ず訪れる「人生のターニングポイント」と言われています。 更年期に入ると、卵巣の機能が徐々に衰え、女性ホルモンの一つであるエストロゲンレベルが低下します。エストロゲンは体各所に作用しますから、心身にさまざまな不調が現れ始めます。 更年期の症状として特徴的とされる、発汗、ほてり、のぼせといった「ホットフラッシュ」の症状をはじめ、頭痛やめまい、イライラ、疲労感、抑うつ、関節痛(手指関節痛等)など、その症状は広範囲、多彩で200~300種類にも上るとされています。 更年期症状の出方も個人差があります。女性ホルモン分泌の状態、ストレス要因の有無、その方のもともとの性格などによって、症状の出方、感じ方が大きく異なるということをあらかじめ認識しておきましょう。(ほとんど自覚症状がみられない方もおります)症状がつらいと感じた場合はもちろんのこと、特に不調を自覚していない方でも閉経を気に早めに専門医を受診することをお勧めします。(当院では更年期障害の中でも自律神経失調症を中心に、水曜日以外、脳神経内科で診療しております。また、漢方薬等もご相談に応じております) 更年期を上手に乗り越えるための運動習慣と栄養バランス 更年期症状の中には、適度な運動や食習慣の改善によって、緩和されるものもたくさんあります。いざ更年期になってから症状に翻弄されるのでなく、早い段階から自身の生活習慣を見直し、更年期症状が出にくい体づくりを始めておくことも、大切な備えといえるでしょう。 ◆日常生活で簡単にできる運動習慣 更年期症状については、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの低下に加えて、さまざまなストレッサーが作用することによって、種々の症状が起こるとされています。そのような時に心身を落ち着かせ、リズミカルに酸素を取り込む「有酸素運動」はぜひ取り入れてほしい運動の一つです。代表格であるであるウォーキングやジョギングのほか、腰や膝に負担をかけずに楽しく取り組めるバランスボールエクササイズなどもお勧めです。 日常生活の「座る」「立つ」「歩く」といったあらゆるシチュエーションで、常に意識してほしいのが「骨盤を起こす」こと。骨盤が起きている状態というのは、恥骨からおへそまでが床に対して垂直な状態。この姿勢を保って活動することによって、内臓が圧迫されるのを防ぐため、便秘や冷えの予防につながるのはもちろん、腹筋と背筋が鍛えられ、腰痛の予防効果のほか、見た目にも若々しさをキープできます。 ◆栄養のバランス ホルモンバランスを整える栄養素をバランスよく摂取しましょう。 女性ホルモンの産生を促す栄養素として、かぼちゃ、アーモンド、ごまなどに含まれる「ビタミンE」、魚介類の中でも青魚や鮭、マグロ、カツオなどに多く含まれる「ビタミンB6」が挙げられます。またビタミン、ミネラルを豊富に含む野菜や果物をバランスよく取り入れることも大事。特に色の濃い緑黄色野菜にはカロテンや鉄、ビタミンK、ビタミンE、ビタミンB群、葉酸など代謝を促進する栄養素や抗酸化成分が多く含まれているので、食材選びの際にぜひ意識したいところです。 栄養素をバランスよく摂る方法とは? お勧めしたいのが定番のご飯とみそ汁に、魚料理、おひたし、煮物などを組み合わせる「和食」のメニュー。一日1、2回は意識して魚料理を取り入れ、緑黄色野菜を使った副菜を手のひら大の小鉢で昼夜1皿ずつ程度添えると、バランスがいいと思います。デザートには、皮ごと食べられるブルーベリーやりんごなどをはじめ、栄養価の高い旬のフルーツを一日200gを目安に取り入れてみてください。 更年期に積極的に取り入れておきたい食材とは? 女性ホルモンと似た働きをする成分として注目されているのが、大豆に含まれる大豆イソフラボン。大豆は食物繊維やオリゴ糖も多く含み、加齢とともに乱れがちな腸内環境を整えてくれるうえ、骨を強くするカルシウムも豊富です。納豆や豆乳、みそ、豆腐が大豆製品の代表格ですが、煮物やあえ物、サラダに大豆の水煮を混ぜ合わせたり、おから、高野豆腐なども上手に活用すれば、さまざまなバリエーションで手軽に取り入れることができます。 大豆由来の成分「エクオール」を知っていますか? 大豆イソフラボンは代謝の過程で腸内細菌によって変換され、「エクオール」という成分になります。このエクオールがイソフラボン関連の中では強く女性ホルモンに似た働きをし、更年期症状を和らげるということが最近の研究でわかってきました。 大豆が女性の体によい理由の決め手はエクオール 大豆は、昔から日本人の食生活によくなじんだ健康食材です。大豆は女性ホルモンのエストロゲンとよく似た働きの成分を含むため、女性の元気を若々しさを保つのに役立つといわれてきました。英国の医学専門誌に「日本人は大豆製品をよく食べるので、女性の更年期障害が軽い」「欧米人に比べて日本人の骨粗しょう症の発症が低いのは、大豆製品をよく食べることと関係している」と取り上げられたこともあります。 その働きのもとになっているのが「エクオール」という物質。大豆の中のイソフラボンという成分が、腸内細菌によって「エクオール」に変わり、エストロゲンによく似た女性の健康パワーとなっていたのです。 サプリメントで上手に取り入れましょう しかしこのエクオール、誰もが作れるわけではありません。とりわけ近年は食の欧米化によって腸内環境が変化している為か、若い世代ではエクオールを作れない女性の割合が高いというデータもあります。 エクオールを女性の健康や美容に役立てるには、1日あたり10mgの摂取が目安です。エクオール10mgは、大豆食品に換算すると木綿豆腐2/3丁(約200g)か納豆1パック(約50g) になります。 エクオールは体内に留まらず毎日排出されてしまいます。また、食生活、健康状態によっても体内でのエクオール産生量は変化します。エクオールが体内で作れる方でもサプリメントを活用するのもひとつです。 エクオール摂取による効果は、エストロゲン減少からくる更年期の諸症状の中でも、ホットフラッシュの改善や、頸・肩のこりの軽減、骨密度減少率の抑制、LDLコレステロールの減少など様々な研究結果が報告されています。 更年期の諸症状でお困りの方へのサプリメント 当院では、更年期の諸症状でお困りの方へ、大豆を乳酸菌で発酵させたエクオール食品、大塚製薬の「エクエル」をご紹介しております。 また、従来製品「エクエル」に加えて、従来の約2/3のサイズとなった「エクエル プチ」も出来ました。1日の摂取目安量2粒でエクオール10mgを摂ることができます。 「エクエル」も「エクエル プチ」どちらも大塚製薬独自の乳酸菌で発酵させて製造したエクオール含有サプリメントです。 粒の大きいサプリメントは少々飲みづらいと感じるようであれば、「エクエル プチ」をお試しください。 製品HPはこちらです▼ 健康と美容をサポートする大塚製薬のエクエル エクエルについて 若い世代から気を付けたいこと エストロゲンには「骨量の維持」や「コレストロールなどの脂質の状態をよくする」働きがありますから、閉経後の女性では骨折のリスクが高まるとともに悪玉コレストロールが高くなり、動脈硬化のリスクも高まります。また、肥満や骨粗しょう症もリスクも始まります。閉経後になってから長年の生活習慣を変えることはとても難しいので、ぜひ若いうちに食習慣を見直し、適度な運動習慣を身につけておきましょう。また何か夢中になれる趣味や気分転換があると、更年期症状が出にくいというデータもあります。正しい情報源から早めに更年期に関する知識を蓄え、ご自分の心身の変化を受け入れる準備を始めておきましょう。 更年期の諸症状にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。(当院ではエストロゲン等のホルモン測定、自律神経失調症の検査を予約なく実施しております) 参考:株式会社ギミック「30代から始めよう!更年期を乗り越えるための備え」